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北信五岳を登る「戸隠山」「飯縄山」

友人に誘われて戸隠連峰西岳へ。
北信五岳を登りたいと、今回は広島から二泊三日の行程。
初日は移動のみで戸隠神社中社近くの民宿に泊まり、翌日「戸隠山」、最終日に「飯縄山」に登った後、広島まで帰りました。
ちなみに北信五岳は他に「斑尾山」「妙高山」「黒姫山」があります。

1座目「戸隠山」

「戸隠山」と言えば、まず奥社に上がって、有名な難所「蟻の塔渡り・剣の刃渡り」を通って八方睨へ。その後、戸隠山から九頭龍山を経由して周回するのが一般的なルートです。
今回は友人のたっての希望で、鏡池から出発し、「西岳」「本院岳」「八方睨」、そこから「戸隠山」を往復して奥社へ降りる、より難度の高いルートに行ってみました。なかなかの難路で何本鎖場があるか数えきれません。鎖好きにはたまらんでしょう(笑)

前日、鏡池からの戸隠連峰。左から西岳P1、西岳、本院岳、大きく下って登り返して八方睨。ギザギザです!

綺麗なトイレもある鏡池駐車場からは、ひとまず100mあまり下り、途中沢の渡渉が3箇所ほど。増水してると厳しいです。その後、牧草地を抜けてしばらくは、ダケカンバやブナなどの美しい森を緩やかに登っていきます。徐々に急登となり、やがて大きな岩壁と鎖が現れます。何度も鎖場を通過して、西岳1峰でようやく一息。

そこから西岳、本院岳、そして八方睨・戸隠山と縦走していきます。
鏡池からのギザギザな見た目通り、激しくアップダウンを繰り返すので、体力・精神力ともにすり減ります。落ちたら助かりそうもない切れ落ちた尾根やトラバースも多数あり、足元に草がかぶって見えにくいこともあって慎重に進む必要があります。

本院岳から八方睨の間が、疲れてきた頃の大下りからの登り返しで、体力的にも精神的にもきつくなってきます。

八方睨まで来れば一般的な戸隠山のルートに合流です。戸隠山まで往復して、鎖を下って剣の刃渡り・蟻の塔渡りからの下山です。下りの方がやはり難易度が高いので慎重に行きます。その後も胸突岩の下り他、鎖場多数。下って下って奥社に着いた頃にはヘトヘトです(笑)

今回、緊急時を考え、念のためロープを持って行きましたがメンバー全員岩場は得意なので結局使いませんでした。パーティーの力量に応じて装備の検討が必要です。ルート的にはバリエーションではなく登山道難路です。整備状況は非常に良いと思いました。もちろん簡単ではないし、落ちたら助からない箇所が多数。エスケープもありませんので、行かれる際は慎重にご判断ください。

道中は夏の花がたくさん咲いていました。特に西岳あたりの稜線にはニッコウキスゲが多数咲いていて夏らしい花畑が見られました。花の山としても楽しめました。

2座目「飯縄山」

前日の戸隠連峰から見た飯縄山。火山性の独立峰です。

「飯縄山」は緩やかな裾野をもつ独立峰。前日の西岳-戸隠山とはうって変わり、序盤から緩やかな登山道が続きます。登山道沿いには合目の表示もありますが、13仏を数えながらのありがたい登山となりました。

駒のつなぎ場からは傾斜がキツくなってきますが、ジグザグに登山道は切ってありますし、前日のことを思えばこれも緩やかな登山道に思えます。

道中たくさんの花を見ることも出来たのですが、暗かったこともあり、あまり上手く撮れてなくてピンボケばかり(^_^;) なので一部を載せておきました。

私たちが登った時間帯は山頂は快晴! 麓に雲海が広がり、戸隠連峰や高妻山はもちろん、北アルプスの名峰や富士山、八ヶ岳、南アルプスなどが見渡せる360°のパノラマを満喫できました。
下山中にガスが上がってきてたので、すれ違いで登られた方々はもしかしたら見られなかったかもしれません。ラッキーでした!

さて、北信五岳の残り3座は登る機会があるだろうか。せっかくなら、いつかコンプリートしたいな〜